pigmama’s blog

チャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

新しい環境に馴染める子が持っている力と鍛えかた

 

4月に進級や進学を控えているご家庭も多いかと思います。「友達ができるか」「集団行動が苦手」「学習についていけるか」といった不安や心配が尽きないですよね。新しい環境での学びや経験に、不安と期待が入り混じるなか、新しいことをすっと受け入れられる子、戸惑ってしまう子がいると思います。この2つのお子さんの違いには、どんな力が関係しているか考えてみましょう。

 

受け入れる力

新しい環境に馴染める子は、受け入れる力に長けています。食べ物の好き嫌いが少なく、人が好き、好奇心旺盛といった特徴があります。一方で、偏食などの好き嫌いが激しい子は、受け入れることが苦手なことが多いです。人見知りや場所見知りをする子も、初めてのことに対して恐怖心が強いです。では、どのようにしてこの受け入れる力を育めばいいでしょうか。

 

選択肢を増やし自信をつける

受け入れることが苦手な場合は、まずは選択肢が多様にあることを示してみましょう。例えば野菜が苦手なら、調味料で味付けを変えてみる、切り刻んで見た目を変えてみるなど、選択肢が他にもあるということを示します。その選択肢から自分で選び・試すことで、自信がついていきます。

 

日々の行動の流れを、ルーティン化することで動きやすいと考える子、自分で考えて臨機応変にやりたい子など、お子さんのタイプに合った方法で様子を見守ることが大切です。慣れるのには時間がかかると思い、あまり急かさないことも重要です。こちらの焦りが子どもに伝わってしまうと、行き渋りにもつながりやすいので、寄り添う姿勢を見せるとよいでしょう。

 

さいごに

好き嫌いが言えるということは、自分で自分の気持ちを表現していることでもあり、自己決定を表現する手段ともなっています。子どもは繊細なので、親が疲れていたり、イライラしていると、その雰囲気を感じてストレスを感じてしまいます。そういった原因も心の負担となり、「受け入れたくない」「どうでもいい」という気持ちになりやすいです。私たち大人が、理解できる範囲をどれだけ広げられるかが鍵なのではないでしょうか。

【教育方針の疑問】叱ってはいけないと思うあまり子どもに振り回されてはいませんか?「叱らない育児の闇」

ご家庭で、お子さんが嫌いな食材を「いらない」と訴えると、そこからどうしていいかわからない。「歯を磨きたくない」「寝たくない」など、子どもが嫌がったら怯んでしまい、子どもの言うことを聞いてしまっているといったことはないでしょうか。『叱らない育児』という教育方針がありますが、叱ってはいけないと思うあまり、子どもに振り回されてはいないでしょうか。子どもに拒絶されたときに、それを上回る伝えかたや、親御さんが許容範囲を設定することが大切です。

 

あなたはどれだけ相手に伝えられていますか?

コミュニケーションは、自分が言ったことが、そのまま相手に伝わるとも限りません。伝えかたや相手の理解度も重要となり、伝わらなかった場合は「どうしたら理解してもらえるか」を考える必要があります。仕事などで、相手が理解できていないようなら、視覚的・情緒的・論理的など、方法を変えて伝えているのではないでしょうか。「どうせ言ってもわからない」という考えを捨て、どうしたら理解してもらえるかを考えてみましょう。

 

例えば、お子さんが風呂嫌いで、もう何日もお風呂に入っていないとします。あなたなら、どのようにしてお風呂に入ってもらいますか。「お風呂に入らないのなら、お小遣いを減らす」などのペナルティを科す、「いい加減にしなさい」と感情的に訴えるなど何らかの方法で伝えることと思います。いずれにせよ、こういった状況のときは、自分の許容範囲を超えたことを相手に伝えるのではないでしょうか。

 

叱らないのは面倒だから?

注意する・説得するという行為は、それなりに神経を使います。話が理解できない・自分と反対の意見や意思を持っている相手なら、なおさらです。叱らないでおくことは、子ども自身が解決できるよう見守っていると言えば、聞こえがいいかもしれません。しかしながら、子ども自身で解決できそうにないときは、助け舟を出すことも必要なのではないでしょうか。

 

注意しても何度も拒否されたり、自分に余裕がなかったりすると、「もういいや」という気持ちになりやすいものです。自分と子どもは別の人格だから、子どもが嫌われても「私には関係ない」「自業自得だ」と思っても、結局のところ、注意しない親の責任となって自分に返ってきます。面倒であっても、失敗したとしても、選択肢を与えることが重要なのではないでしょうか。

【子どもの集中力がなくて心配】子育てカウンセラーが教える!落ち着きのない子どもに隠された能力とは?

 

「集中力がなくて心配」「飽きっぽく、長続きしない」「落ち着きがない」など、子どもの様子が心配な親御さんは多いのではないでしょうか。多動などの発達に関する障害の可能性があるのか、単なる個性なのか、自分で判断できないこともありますよね。少しでも気になる場合は、専門家に相談するのがよいでしょう。今回は、落ち着きのない子どもに隠された能力について考えみましょう。

 

情報処理能力が高い!?

次から次へとおもちゃに手をつけては、すぐ違う遊びに移る。他の子どもに比べ、遊びに集中する時間が短い。こちらが見ていて「飽きっぽい」「集中力がない」と思うことも、子どもによっては「瞬時に多くの情報を取り入れたい」「頭の回転が速い」「情報処理能力が高い」という可能性もあります。こちらの見かた次第で、ポジティブに捉えることもできるのです。

 

一つ一つの遊びを短時間で満足しているから、興味が次から次へと移っていくのではないでしょうか。すでに経験したことがあるから、もう知っているという場合や、なんとなく一回やれば仕組みが理解できてしまうという場合もあるでしょう。いずれにせよ、子どもにとっては満足している状態なのです。

 

発想力に長けている!?

瞬時に多くの情報を取り入れられるということは、多くの情報を得ているので、発想力にも長けています。豊かな情報を持つことは、アイデアを創造することにも役立ちます。人が思いつかないようなことを思いついたり、今までにない新しいものを生み出し、人から感謝される可能性もあるでしょう。

 

幼少期の場合、今あるおもちゃに飽きてしまい、別の遊びを考えているといった可能性もあります。おもちゃを定期的に見直し、飽きているようなら、次の段階の遊び(対象年齢が上の遊びなど)に移行することで解決されるかもしれません。市販のおもちゃは対象年齢が高めに設定されていることもあるので、安全に配慮した上で、一緒に遊んでみてはいかがでしょうか。

 

幼少期に最も個性が現れる

集団生活や学校教育の中で、個性を見失ってしまうことはよくあります。それは、羞恥心が芽生えたり、他人に関心が向くから自然なことでもあります。しかしながら、幼児期というのは、自分の興味にまっしぐらです。大人になってからも、自分の道を歩んでいる人ほど、幼少期の特徴のまま本能で生きているといっても過言ではありません。

 

幼少期にすでに一つのことに夢中になっている子は、大人になってからも、一つのことを深く研究し、追求していくタイプといえるでしょう。幼少期に見られる個性を伸ばしていくか、無理に周りに馴染ませるかでは、お子さんの将来や性格にも関わってきます。人に迷惑がかからない程度であれば、そんなに気にすることなく、個性を存分に伸ばすほうが賢明なのではないでしょうか。

目標を達成するのに知識と自信どちらが大事?子どもに伝えたい目標達成に必要なこと

人間誰しも「こうしたい」「こうなりたい」という願望があると思います。しかしながら、知識や実力が足りずに目標に到達できない場合と、自信がなくてそもそも行動に移せない場合があるでしょう。もしお子さんが挫折してしまったり、目標を達成する方法がわからないときに伝えたいことを考えてみましょう。

 

知識も自信もある程度は必要

ここでいう知識というのは、目標を到達するための手段や方法を指します。例えば自転車に乗れるようになりたいという目標だとしたら、メンテナンスまで全て学ぶ必要がないのは明らかですよね。しかしながら、「サドルに座ってペダルを漕ぐ」「止まるときはハンドルを握る」「交通ルールを守る」といった最低限の方法や扱いかたを知らなければ、自信があっても自転車に乗ることはできないでしょう。何をするにも、まずは必要な知識を手に入れることが重要です。

 

一方で、知識はあるけれど、自信がなく行動できず目標に到達できない。そういった悩みを抱える人のほうが圧倒的に多いと思います。しかしながら、自信はそう簡単には持てるものでもありません。小さな成功体験の積み重ねが必要となり、知識を発揮できる場を作ることが有効とされています。

 

自分で考え抜き、答えを出すことが重要

自信をつけるためには、小さな成功体験の積み重ねと知識を発揮する場を作ることが有効です。しかしながら、それでも挫折してしまうことはよくあります。そういったときは、自分でとことん考えさせてみましょう。答えの良し悪しよりも、自分で考え抜いて答えを出す行為が、自信につながることもあります。

 

本当にここで諦めていいのか、仮にやめてしまったらどうなるのかなど、何かしらの仮説や答えを出すことが効果的です。目標を達成できるかどうかは、結局のところは自分との戦いなのではないでしょうか。自分1人で答えを出せたという経験が、自信につながり、また挑戦しようという意欲にもつながります。

 

さいごに

私たち大人は、どうしても結果や効率を重視してしまいます。しかしながら、子どもにとっては時間をかけて試行錯誤することが、成長においても必要なことなのかもしれません。どんな結果であれ、自分で考えさせることを意識していきたいものです。

【子どもの不機嫌にイライラしてしまう】子育てカウンセラーが教える!不機嫌が長引く原因と解決策

子どもの機嫌に振り回されてしまう、子どもの機嫌が悪いことが多くてイライラしてしまう。こういった悩みを抱えている親御さんは、意外と多いのではないでしょうか。機嫌が悪い理由を汲み取り、共感してもなかなか機嫌がよくならない。その原因と解決法を考えてみましょう。

 

不機嫌が長引くのは納得していないから

子どもの機嫌がなかなか良くならないのには、きちんと理由があります。それは、私たち大人の対応に納得していないからです。自分の気持ちをわかってもらえず、納得していないから機嫌が悪くなります。また大人に比べ語彙力が低く、自分の気持ちを上手く伝えることができないという葛藤もあります。

 

例えば、4歳だと語彙力はまだ2,000~3,000語程度です。大人が20,000~50,000語と言われているので、差は明らかですね。自分の気持ちを言葉にするのは難しくても、気持ちを理解してもらいたいのは、大人も子どもも一緒です。気持ちがわかってもらえれば、心に余裕が生まれ、対策を考えられるようになります。

 

感情のラベリングを

感情のラベリングとは、感情を知り、見える化することです。感情の名前を知ることが、不機嫌を解決する一歩となります。悲しい、寂しい、呆れている、痛い、つらい、痒い、疲れているなど、不機嫌になる感情は多くあります。まだお子さんが言葉がわからない場合は、色で「この色のときは嫌な気持ちなんだ」と子どもが示せるように、色のついた付箋や折り紙などを用意し、感情を知らせる練習をしてみるとよいでしょう。

 

子どもが感情を知るのに役立つ絵本

実際に、子どもが感情を理解するのに役立ったと感じた絵本を2冊ご紹介します。

 

『ちくちくとふわふわ』なないろ、CHICORA BOOKS(2019年)

ヤフーショッピング
ヤフーショッピング

 

感情を大きく「ちくちく」「ふわふわ」の2つに分け、こういう状況だと心が「ちくちく」する、「ふわふわ」すると知るところから始められます。ちくちくは "Spiky"、ふわふわは "Fluffy" というキャラクターで親しみやすく表現されている点もよいですね。日本語と英語で書かれているので、英語に気軽に触れられるのもありがたいです。

 

『おこりたくなったら やってみて!』オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ、主婦の友社(2019年)

 

絵本ナビ
絵本ナビ

 

ガストンというユニコーンのキャラクターとともに、どんな気分があるかを学ぶことができます。「黄色は幸せ」など、気分を色で表す練習にも適しています。気分を天気でも表しており、怒りの雲を追い出す方法として、気持ちを切り替える方法も教えてくれます。

【大切なのは結果より過程】子育てカウンセラーが教える!兄弟や友達とのトラブルで親が意識したいこと

「『貸して』と言っているのに、おもちゃを貸してくれない」「1人で遊びたいのに、邪魔してくる」など、兄弟間や友達とのトラブルってありますよね。仲良く遊んでほしいものの、子どもにも欲求や意思があるため、上手くいかないことも多いのではないでしょうか。兄弟や友達とのトラブルが起きた際に、親が意識したいことを考えてみましょう。

 

どちらかの味方にならない

子どもが1つしかないおもちゃを取り合っていたら、私たち親はどちらかに「貸してあげなさい」と、どちらかの味方になる対応をしがちです。その場をとりあえず穏便に収めるために、そういった解決をしがちですが、これではどちらかが我慢をしている状態です。自分の気持ちを汲み取って共感してもらい、遊びたい自分の欲求が満たされることが保証されて、はじめて子どもは人の気持ちを考えられるようになります。

 

自分の気持ちを理解してもらえるどころか、納得のいかないまま心が満たされない状態が続くと、どうなるでしょうか。遊びたい欲求が満たされず、心も満たされていないと、その欲求不満が違うところに弊害として出てくることでしょう。大人が満足する解決では、子どもは満足していないと気づくことが大切です。

 

相手の気持ちを考えるきっかけを与える

まだ相手の気持ちを考えられる段階でなくても、相手の気持ちを考えるきっかけを与えることはできるのではないでしょうか。例えば、「2人ともこのおもちゃで遊びたいんだよね」とお互いの気持ちに共感した上で、「でも1個しかないから、どうしようか?」などと解決策を子どもたちに考えさせてみましょう。どうしてもお互いに譲れない・解決策が出ない場合は、ジャンケンやくじなど、お互いにとってフェアな方法を提案してみるとよいでしょう。まだ自分の気持ちを喋れない乳児が相手の場合は、ただ「おもちゃが気になる」ということも多いので、他のおもちゃを与えて様子を見てみるのもありです。

 

自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを考えられるようにするためには、3つのステップがあります。

  1. 選択肢から選ぶ習慣をつける
  2. 自分でどんな選択肢があるか見つけられるようにする
  3. 自分の希望通りいかなかったら、どうするかを考える
 
 
 

さいごに

私たち大人は、早く結論を出そうとしたり、結果を評価してしまいがちです。しかしながら、トラブルが起こったときほど、成長できるチャンスでもあります。結果ではなく、過程を評価できるようになると、子どもの自信にもつながります。

【無意識のうちに完璧を求めていませんか?】カウンセラーが教える「人との比較をやめ、自分軸を持つ方法」

 

子育て中に限らず、「周りと比べるのをやめたい」「比べられても気にしないマインドを持ちたい」という願望は誰しもあるのではないでしょうか。人との比較をやめ、自分軸を持つ方法について考えてみましょう!

 

あなたにとって、人生とは?

 

少し哲学的な話になりますが、あなたにとって、人生とはどういったものでしょうか。今まで生きてきた経験、命そのものといったところでしょうか。どちらも正解ですが、今度は少し問いを変えてみます。あなたは、どういった目的でゴールを目指していくのが、本来の生きかただと思いますか。

 

問いかたを変えただけで急に難しいと感じた人、反対に、具体的に考えられるようになったという人もいると思います。物事をシンプルに捉えることで、答えを簡単に考えられる人もいれば、具体的に問うことで、答えを導ける人もいます。まずは、自分がどちらのタイプなのかを知るところから始めてみましょう。

 

心理学的には、生きるということには目的があり、ゴールがあります。自分がどんな人になりたいかという目的で、死というゴールに向き合っていくかを模索するのが本来の生きかただと考えられています。なりたい自分というのは、今後変わっていくかもしれないし、変えようと思えば変えられるということです。よく大人になると、人格や性格・思考を変えるのは難しいと考える人もいますが、きっかけや本人の意思次第では、不可能なことではありません。

 

無意識に完璧を求めてしまう理由

カウンセリングの現場で多い根本的な悩みとして、「無意識に完璧を求めている」という特徴があります。社会など多くの人が集まる場には、比較対象があり、どうしても周りと比べたり・比べられたりしてしまうもの。さらに、SNSの普及で気軽に他人の良い部分と比較する機会も増えているように思います。

 

自我が芽生えているからこそ、自分と他人は「違う」と認識できる一方で、親や先生からの期待や比較で、無意識に完璧を求めるクセがついているケースもあります。子どもは親が望むように頑張ってしまいがちです。「自分の好きにしていいよ」と言っても、子どもは親の顔色や機嫌を伺っていることが多いのです。その思考パターンは大人になっても続き、今度は対象が親ではなく、会社や社会に認められるようにと変わっていくでしょう。

 

周りの人や環境のせいにし続けるか、自分が変わるか

 

カウンセリングやコーチングで立ち直れる人は、どういった特徴があるでしょうか。カウンセラーやコーチは医療行為は行えないため、不眠や心身の不調がある場合は、まずは心療内科などで症状を緩和・軽減してもらう必要があります。カウンセラーやコーチは、対話を通して、なりたい自分になれるようサポートする存在です。

 

周りの人や環境のせいにし続けるか、自分が変わるか。それに時間がかかるかどうかなのです。自分に「NO」と言い続ける人も同じです。自分の特徴に気づき、ダメな自分でも「OK」と認められれば、立て直すことができます。

 

さいごに

人との比較をやめ、自分軸を持つためには、自分をよく知ることが大切です。自分を客観的に捉えることができれば、「人は人、自分は自分」と割り切れるでしょう。ブレない自分軸より、レジリエンスといった困難を乗り越える力や、立て直す力が人生においても重要なのではないでしょうか。